債務整理の際の住宅ローンの扱いは

債務整理をする必要に迫られている人は、実は住宅ローンが払えないことがそもそもの原因となって多重債務などの状態に陥っている人が多いようです。

住宅ローンを実際に支払っている人であればすぐに理解できると思いますが、ひと月の総支出における住宅ローンの占める割合は非常に高く、他のローンや支出とは比べられないほどの金額になっているケースもしばしば見受けられます。

こうした場合はどれだけ食費や交通費、交際費、光熱費などを切り詰めても大幅に所得が上がりでもしない限りなかなか状況は好転しません。むしろ長引けば長引くほど負担は大きくなり、借金の利息だけが雪だるま式に増えて行きます。

住宅ローンが原因となって債務整理を行う事態になり、自己破産などをすると借金は確かに無くなりますが最も大切な住宅を失ってしまうことになります。自己破産をした後でも生活は続くわけですから、生活費の中で最も多くの割合を占める住居費用は賃貸アパートなどに引越したとしてもやはりかかってしまいます。給与が減額された、ボーナスが無くなった、リストラされた、病気がちで思うように働けなくなったなどと言ったことがあると誰にでもこのような状態に陥る可能性はあります。

債務整理では住宅ローンはどの程度負担が軽減できるのでしょうか。あるいは債務整理をするからには住宅は手放すことになってしまうのでしょうか。また債務整理以外で何とか住宅ローンの負担を軽減できるような方法はないのでしょうか。

債務整理と住宅ローン、まずは金融機関で相談を

住宅ローンを組んでいるということは、ローンの支払いが完了するまでは住宅は銀行などの金融機関の抵当権がついていることになります。そのため住宅ローンの支払いが度々延滞したりするような場合には、銀行からまず現状がどのようになっているのかの探りを入れてきます。最悪の場合、銀行は抵当権を駆使して住宅を競売にかけてしまいますからこのような時には時間の猶予はもはやあまり無いと考えた方が良いでしょう。そこでまずはこの段階で実情を銀行に理解してもらい、返済方法の組み直しなどを相談しましょう。

住宅ローンは他のローンや借金などとは少々異なる特徴があり、負債者が自己破産ギリギリまで来ている状態や、実際に債務整理に取りかかっても住宅ローンの元本や利息だけは最後まで手を付けることができないのです。

そのためまずは銀行などに相談して返済の方法や、返済期間を延長してもらうことで何とかならないかを検討します。こうした相談によって通常は60才が限度となっている支払い年齢を70才まで引き延ばしてくれることがあります。またボーナス払いを併用している場合などでは、ボーナス払いの分を分割にして分散すると言う方法などもあります。

また住宅ローンの支払いが困難となった場合に、債務整理よりも先に「任意売却」と言う方法を取ることもあります。任意売却と言うのはたとえ住宅などを売却しても完済する分のお金が得られないような場合に、債務者と債権者(この場合は銀行)の間に不動産屋などが仲介役として介入し、住宅を競売にかけずに債務者と債権者の納得がいくような価格で住宅を売却することです。実は住宅を競売にかけた場合には、販売価格は通常より3割程度も低下する場合が多く、その分のリスクを銀行側としても負いたくはないと言うのが本音なのです。しかしこの任意売却では債務整理は行わずに済みますが最終的に住宅は手放してしまうことになります。

債務整理と住宅ローン、個人民事再生

住宅ローンがまだ残っており、どうしても住宅を手放したくない人が選ぶことのできる債務整理では個人民事再生がよく知られています。これは住宅ローン以外の債務は大幅に減額してもらいながら、住宅ローンに関しては払い続けることで何とかマイホームを守ろうと言う債務整理の方法です。

個人民事再生では住宅ローン以外の債務に関しては債務総額の5分の1、もしくは100万円までに減額してもらえる上、マイホームを売却する必要もありません。また個人民事再生では住宅ローンに関しても住宅ローン特則と言う規定によって住宅ローンの支払い期間を延長してもらうことが可能です。

ただし個人民事再生であっても住宅ローンに関しては支払額の減額などは一切できません。住宅ローン特則にしても最終的に支払うローンの総額は同じで支払い期間を延長することだけが可能となります。

また一度債務整理を行った人が、後々マイホームを購入して住宅ローンを組もうとする際には注意が必要です。債務整理の種類にもよりますが自己破産などをした場合には最長で10年間は新たなローンを組むことができなくなってしまいます。自己破産以外の特定調停や任意整理などでも短い場合で3年間、長い場合だと5~7年間に渡って住宅ローンなどが組めなくなることがありますので充分にタイミングを見てからローンの申込を行うようにしましょう。

また住宅ローンに関しては債務整理までに至らなくとも、クレジットカードの支払いなどの延滞があっただけでも審査が通らなくなる場合がありますので毎月の支払いは必ず延滞しないように心がけることが重要です。